2006年01月29日

(by paco ) BSE問題の、論理思考でわかる怖い話

Global Eyes

(by paco)米国産牛肉の輸入再開されたと思ったら、さっそく輸入禁止。今回の農水省の措置は実に速く、賞賛に値します。

僕が企業向けに行っているロジカルシンキング研修では「BSE対策」という課題があるのですが、そこでやっている話を少し。

米国は、今回の輸入再禁止について、「車でスーパーに買い物に行って事故に遭う確率の方がよほど高い」といっていますが、このこととBSEの危険性とはまったく別のこと、というより、米国のいっていることがいくら正しくても、だからといってBSE感染牛を野放しにしていいということをにはならない(理由になっていない)のです。

BSE感染牛を食べると、人間がヤコブ病にかかり、10?20年の潜伏期間の後、脳障害を起こして死亡することがほぼわかっているのですが、その感染確率や予防法はまだわかっていません。

ということは、現状、発症者数や死者数が少なくても感染が起こっていない証拠にはなりません。つまり「交通事故の死者より少ない」ことは、当然であって、BSEを放置していい根拠にはならないのです。

また、将来の危険は確かに明確ではないものの、最悪のシナリオは、かなり恐ろしいものです。BSE感染牛をきちんと排除せずに食すと、確率的に少しずつ人間への感染者が増えていきます。しかも牛肉は、日本人の多くが日常的に食するもので、高級牛を食べることは少なくても、牛丼やビーフカレーとして年齢、性別、地域を問わず、かなりの量を食べてしまいます。1回の食事で感染する確率は低くても、繰り返し危険にさらされることで、多くの人が感染する可能性がある。しかも潜伏期間が長いため、発症者が出ないうちに、多くの人が感染する、可能性が否定できないのです。

この結果何が起こるか? 潜伏期間が経過して発症者が出始めると、すでに感染していた人が順次発症し始め、患者数、死者数が爆発的に増える可能性がある。また死亡する前に脳障害=寝たきりになるので、そのための介護費用や、介護にかかる人的負担、若い労働力が失われることでの経済的ダメージなど、多くの問題に波及します。もちろん、国と民間の健康保険や介護保険や生命保険はパンクする可能性が高い。

このようなシナリオは、あくまで「可能性」に過ぎません。しかし「起こるかどうかわからない」といって放置するには、もし起きてしまったときの影響が大きすぎる。その一方で、防ぎ方はほぼわかっていて、「BSE感染牛を食べない」ということだけです(世界保健機関WHOの勧告はとってもシンプルで、危険部位などの表現はいっさいせず、「感染した牛を食べるな」です)。感染牛を食べないためには、全頭検査をすればいい。やり過ぎという批判はあるものの、それで将来の大きな危険が排除できる。しかもコスト面でも米国産牛肉はもともと国際競争力があるので、全頭検査をしても十分コスト競争力があると考えられます。

つまり、やれることがあり、大きなリスクを排除できるのに、やらないという米国の主張は、合理性がないと考えるべきです。

で、僕は、外で食べるときは必ず産地を聞いています。産地が正しいかどうかはハッキリわかりませんが、聞くことで、店に対するアピールになると思うから。みなさんもぜひ、注文する前に牛肉の産地確認をしましょう!

投稿者 paco 12:30 | コメント (1) | トラックバック (0)

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コメント

今回の政府の対応は速かったですね
言い逃れのしようの無い状況だったようで、米国政府も非を認めたくらい

あれだけ散々文句をいってきた米国なのに、やっと再開した直後の割りに、
余りにもお粗末な結果となったようです。

ただ、本件については、こんな見方もあります

「きっこのブログ」
http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2006/01/post_ccd2.html

言い回しは、2チャンっぽい、煽り満載で、
不快に思う人も多いかもしれませんが
一つ一つの事象が、本当のことなのか、それともネタか

少なくとも、日本政府は12月の米国からの輸入牛についての追加調査はしない、12月の米国からの輸出入の業者名の大半を公開しない、米国の輸出担当検査官が「特定危険部位の除去」の必要性を認識していない、等の指摘が事実なら、政府の措置は適切とはいえなくなってくると思います。

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