2006年03月31日

(by まつおっち)目に見えるスキルと目に見えにくいスキル

Business Design

(by まつおっち)

転職の会社面接の「ダメダメバージョン」として有名な、
こんなやり取りがありますよね。

面接官「どんなことができるんですか?」
求職者「部長ができます」

まあ、情けない話です。
普通は、こんな人はどの会社でも通用しないよね、で終わってしまいます。

ただ、私は、この話を別の視点から発展させてみたいと思います。


さて、上記のやりとりでまずいのは、求職者が、
面接官の質問の意図を明らかに取り違えている点ですね。

「どんなことができるんですか」という質問は、求職者の持っている
「能力」や「スキル」を知りたいという意図から発せられたもの。

これに対して、求職者は、自分のできる「ポジション」を応えてしまっています。

ただ、こうした回答になってしまいがちなのには理由があります。

この求職者の場合の「部長」というポジション、つまり「上位のマネジメント職」を
立派に務めるためには相応の能力・スキルが確かに必要です。

例えば、不確定な状況で意思決定を下せる「決断力」や、その前提となる、
先を見通す力、すなわち「先見力」、あるいは、将来のビジョンや夢を描ける
「構想力」などです。


ただ、これらの能力は、弁護士や会計士のように資格取得によって
一定のレベルの能力があることを客観的に証明できたり、
英語力のように、ペーパーテストで容易に測定できるようなものではありません。

つまり、上位のマネジメント職に要求される能力は、
資格で証明できたり、ペーパーテストで測定可能な「目に見えるスキル」
ではなくて、言葉にすれば抽象的でわかりづらい

「目に見えにくいスキル」

なのです。

だから、面接においても、説明しづらく、ついつい
そうした能力・スキルが発揮されるべき「ポジション」で答えてしまった。
というのが真相かもしれません。

そして、このやりとりには重要な示唆が含まれていると思います。

社会人になって5年、10年、15年と働いている方の中で、

「自分は専門職ではないし、
 自慢できるようなスキル、他社でも通用するようなスキルがない」

と思い込んでいる人がいます。

しかし、それは能力やスキルというものをわかりやすい「目に見えるスキル」としか
考えていないためです。

たとえ、マネジメントでないヒラ社員の方であっても、毎日の仕事をきちんとこなして
いるとすれば、かなりの能力やスキルを身に着けているはずです。

例えば、社内関係者との「飲みニケーション」のスキル。

あかちょうちん(古いですね)で培った社内の人脈自体は、
転職すれば無意味なものになるかもしれません。

しかし、飲みニケーションを通じた社内人脈構築力は、転職先でも
ポジションによっては、成果を出すために非常に重要な能力、スキルで
ある可能性があります。

もっと、業務的な話でいくと、会議を円滑に進められる「会議運営力」

これなども、結構得意な人がいますよね。ただおそらく自分自身では、
これが立派な「スキル」だとは自覚していないかもしれません。

では、こうした「目に見えにくいスキル」を効果的にアピールする
ためにはどうしたらいいのでしょうか。

それは、「事実」をもって語ることです。
たとえば、自分には「先見力」が結構あると自負していたとします。

その場合、

先見力を発揮したのは、いつ、どこで、どんな状況だったのか、
そしてどんな結果(成果)をもたらしたのか、

を詳細に説明することです。

要するに、
目に見えにくいスキルは、実際の行動、つまり事例によってしか
相手を納得させることはできないのです。

実は、自分の能力やスキルを評価してもらうために「事実」
(過去の行動と言い換えてもいいですね)をもって説明するのは、
いわゆる「コンピテンシー面接」と呼ばれるやり方です。

「コンピテンシー」とは、成果につながる能力のこと。
その多くは、目に見えにくい抽象的なもの。

それを評価するためには、コンピテンシーそのものではなく、
そのコンピテンシーが発揮された具体的な場面を正確に把握
することしかないとされています。

逆に言えば、

自分にはこんなコンピテンシー(成果につながる能力、スキル)
がありますよ、具体的にはこんな状況で、こうしてああして、こんな成果に
なったんです、

ということをきちんと語れることが、転職の面接を突破するためには
有効なのです。

あるいは、社内での人事評価で正当な評価を受けるためにも有効でしょう。


ぜひ、目に見えるスキルだけでなく、目に見えないスキルにも注目して、
自分の過去のキャリアの中から、「コンピテンシー」と呼べるものを
発見してみてください。そして、それを事例を持って語れるようになって
ください。

キャリア構築にこれは大きな効果がありますよ。

(by まつおっち)

投稿者 writers 20:38 | コメント (0) | トラックバック (0)

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