2008年05月04日

(by paco) 「日中共同でCO2地中埋設事業」

Environmental Eyes

(by paco) 興味深い記事を見つけました。日中共同で、CO2の地中閉じ込めの事業を実施、と言うものです。

CO2削減の方法として、自然エネルギーなど様々な方法が実行に移されていますが、なかなか切り札と呼べるものがありません。最近注目されているのが、この「地中埋め戻し」です。

もともとCO2は、石油や石炭、天然ガス、石油ガスなど、地下由来の燃料を燃やすときにでるCO2が問題です。本来近くの中に閉じ込められていた(固定されていた)炭素を掘り起こし、燃焼させて大気中に放出するので、大気中のCO2濃度が高くなり、温暖化を引き起こすというのがメカニズムでした。もともと大気中にあるCO2を植物が光合成で吸収し、成長した気を燃やしてまた大気中に放出するという循環が起きているうちは、大気中のCO2濃度は高まらないのですが、地中から掘り起こすことで、問題を起こすわけです。

そこで、地下資源を燃やしたときにでるCO2を大気中に放出せず、再び地中に戻すことができれば、温暖化の問題は解決できます。

そのためには、大きくふたつの技術が必要でした。

ひとつは、「煙突」からでる排出ガスからCO2を高濃度で集めること。CO2以外のガスまで一緒に地中に埋めようとすると、ただでさえ効率が悪そうなこの方法の効率が悪くなり、地中に戻すために、多くのエネルギーを使うことになってしまいます。石炭は、同じ熱量を得るのに、石油やガスよりずっと多くのCO2を出すので、環境にはよくないのですが、逆にCO2を回収しようとすると、濃度が高く、回収のコストが下げられます。簡単に言えば、石炭を燃やすときの煙を、煙突に送る前にコ2岳を溶け込ませるような溶液や金属などに吸収させ、それを地中に送り込むことで、CO2を地中に環流させるわけです。廃棄中のCO2濃度が濃い石炭発電所なら、逆に回収の効率はよくなります。

ふたつ目は回収したCO2を効率的に地中に送り込む技術と、送り込んだCO2が再び地上に出てこないように密閉しておく技術です。

今回の事業では古い油田にCO2を送り込むことで、油田の石油自体の粘度を下げて取り出しやすくしつつ、CO2自体は油田だった場所に閉じ込めてしまおうというものです。油田は長年掘り出していると、埋蔵量が減り、噴出圧力が下がってきます。石油自体も最初は水っぽいさらさらした石油だったのが、だんだん重たいどろっとした石油になります。CO2ガスを送り込むことで圧力をかけ、古くなった油田でも効率的に石油を取り出しやすくするという目的を果たしながら、CO2の地下封じ込めも可能にするという一石二鳥を狙うことで、全体のエネルギー効率をよくしようというアプローチです。石油を掘り出しやすくすることで掘り出しのエネルギーロスを減らせれば、単独でCO2を地中に送り込むより、効率がいいわけです。

さらに、石炭はほかの地下資源より圧倒的に埋蔵量が多く、石油が枯渇しても100年以上使い続けられます。温暖化や大気汚染の問題がクリアできるなら、資源枯渇の問題の解消にもつながります。

ということで、構想はなかなかおもしろいのですが、さて、実際はどうでしょうか? 効率的にCO2が回収できるのか、地中に送り込むエネルギーがどの程度か、石油の掘り出しの容易性が上がるのか? 実証的にやってみるしかないのでしょう。

成功するにせよ、失敗するにせよ、今進められている風車や省エネルギーはいずれにせよどんどん進める必要があります。しかし、こういう技術も、同時に開発していかなければなりません。CO2の地下貯留だけではとても削減しきれるわけではありません。

あまり期待できないきわどい技術ではありますが、以前は空想的と考えられていたのに、最近はじょじょに「実用化可能かも?」という感じになってきているので、ちょっと期待して見守りたいと思います。

▼asahi.comより
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日中共同でCO2地中埋設事業 首脳会談で合意へ
2008年05月03日19時04分

 日中両国政府は、中国の石炭火力発電所から回収した二酸化炭素(CO2)を地中に埋める事業を共同で始める。中国最大の大慶油田(黒竜江省)にCO2を注入する計画だ。福田首相と胡錦濤(フー・チンタオ)・中国国家主席による7日の首脳会談で正式に合意する予定で、地球温暖化対策の共同声明に盛り込む。

 中国の石炭火力は同国の発電電力量の約8割を占め、経済発展に伴って今後も大幅な増加が予想される。CO2の回収・貯留(CCS)は、地球温暖化対策の切り札と期待される革新技術。日中両政府は、中国の石炭消費の増加に伴うCO2排出の伸びを抑えるには、CCSが有効だと期待している。

 日本政府筋によると、CO2はハルビン石炭火力発電所(同省)など複数の発電所から年間約300万トンを回収し、パイプラインで大慶油田まで運ぶ。エンジニアリング大手の日揮などとの官民連携で09年にも事業を始める。事業費は200億円を超える見込みで、両国の負担割合は今後検討する。

 大慶油田の07年の産出量は約4200万トンだが、ここ数年は減産している。CCSによって油田にCO2を注入すると地中の原油の粘度が低くなり、回収率が高まるという。日中両政府はCCSで年約150万トンの増産効果を見込んでおり、中国の石油需給の切迫をやわらげることにもつながるとみている。

 日本側には、途上国の温室効果ガス削減に協力した見返りに排出枠を得る「クリーン開発メカニズム」(CDM)事業に今回のCCSが認められれば、日本の温暖化対策に貢献するとの期待もある。

投稿者 paco 00:08 | コメント (2) | トラックバック (0)

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コメント

ご無沙汰しておりました。ようやく英会話スクール経営も落ち着いてきたので、URLで示すようなビジネスも立ち上げました。あまり大仰な技術は使っていませんが、今ある技術で取り急ぎできるCO2削減です。
6月、札幌で行われる『環境総合展』にも出展するエコ商品です。

7010さん、ごぶさた!
「URL」がないような。総合環境点のほうはリンクしているんだけど、「ビジネス」の方のリンクも教えてください。

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