子育てワハハホームへ

よしもと農場・スローライフな畑から

有機農業を営むよしもと一家から、生きていくうえでとても大切なこと、土が少なくなった
都会の人が感じられない何かを感じさせてくれるスローライフな畑からの連載です。


 森が教えてくれたこと  
   困ったときの豆頼み
 たかが草取り、されど草取り!
トマト
にんじん
ニガウリ

やっぱり3色カレー大好き!

いんげん
トマト
ズッキーニ
   
生きている種
種籾
野菜たちの芽
ビニールハウス

わが家のお味噌づくり後編 まぜたあとは待つばかり

わが家のお味噌づくり前編 糀(こうじ)づくりは気持ちを込めて

あまくておいしい
お米のお花

冬の日の収穫

小さくてもおなじ命

ぬくぬく気持ちいいなぁ (ほうれんそう) 大根持って、よいしょ!よいしょ! グリーンウェーブ   にんじんの写真を見る こまつなの写真を見る ほうれんそうの写真を見る
ほうれんそう
こまつな
グリーンウェーブ
 
にんじん
こまつな
ほうれんそう

暑い陽ざしの中に咲く涼

はじめまして&野菜の花だより

おくらの写真を見る 春菊の写真を見る ごぼうの写真を見る
おくら
春菊
ごぼう


 〜よしもと農場・スローライフな畑から〜
 ◆はじめまして&野菜の花だより



ある日、子育てワハハ宛にワハハの読者の方からメールが舞い込みました。静岡
で有機農業をやっている、よしもとさんからです。

彼女は以前からワハハとお付き合いがあったのですが、私(Kuri)は、よしもと
さんの農業との付き合いや彼女の自然や食べ物、育児に対する言葉ひとつひとつ
に心打たれました。そういう心を込めて農業に取り組んでいる方に対して、私た
ちワハハは「もっと拍手をしたい」、とも思いました。

そのよしもとさんの【よしもと農場スローライフな畑から】の連載が今日から始
まります。畑の仕事と育児の間の非常に少ない時間の中で書いてくださっていま
す。不定期刊ですが、どうぞよろしくお願いします。きっと野菜だけでなく、生
きていく上でとても大切なこと、土が少なくなった都会の人が感じられない何か
を私たちに届けてくれるような気がします。

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■はじめまして。よしもとです。
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こんにちは、畑からのお便りを書かせてもらうことになりました「よしもと農場」
のよしもとです。

野菜だけではなく、畑のお話をみなさんにお届けする機会が生まれて嬉しいです。
勝手なひとりごとにならないように、土から離れて暮らしている人と少しでも距
離が縮まればいいなと思っています。

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■まずは自己紹介をさせて下さい。
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30年近く暮らした東京都荒川区から、3年前に静岡県富士宮市に引っ越してきま
した。農業をして、くらしていきたいと思い、夫と、家と畑を探しまわり、縁が
あってここ富士宮市で家を借りることができました。

あっという間の3年でした。

その間に生まれた娘も9月で2歳になります。母乳不足のためか、体重がなかな
か増えず、半年が過ぎて、ようやく眠るようになったと思った頃、アトピーに。
少ない体重がさらに減ってしまい、またまた眠れぬ日々。

でもそんな苦労をした彼女も今では元気いっぱい。畑でも大活躍です。草取りも
するし、玉ねぎ、にんじんもぬいてくれます。今のお得意はミニトマトの収穫。
いちばんおいしそうなトマトを土のついた手で穫っては、ドロドロの作業着で拭
いて食べます。たくさん食べられると困るのですが、あの笑顔を見ると夫も私も、
”あとひとつだよ”が、ひとつではなくなってしまいます。

季節の中で、自然のサイクルの中でくらしていきたいと思っている私たちが求め
た農業は有機農業。そして食べるものはなるべく自給自足。お互いここに来る前
に一年ずつ有機農家で実習をしました。当たり前ですが、実習と二人でやってい
くのとはまったくちがいます。今でも“まだまだ”が多く、私たちの足らなさを
実感していますが、まわりの人に助けてもらいながらここまでやって来ました。

家族3人で畑を耕し、野菜をつくっています。こんな私たちから、”街”には不
足しがちなものを届けることができればと思っています。どうぞよろしくお願い
します。
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■野菜の花だより
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さて今回は、野菜の花を届けたいと思います。

春菊の花、見たことありますか?春菊は「菊」なのです。お鍋に入れて食べてし
まうあの春菊は、こんな花を咲かせます。

                          春菊の花 …> 春菊の花

春菊の花と言ってもみんな同じではありません。真っ黄色のもの、黄色と白が混
ざったもの、その混ざりぐあいもいろいろです。私たちは、とうが立つ前の若い
柔らかい葉を穫って食べてしまいますが、春菊も花を咲かせます。花を咲かせて
実を結ぶのです。そうしようと思って芽を出します。

私たちの畑では、今、ごぼうの花も咲いています。背丈は私の身長ほどに伸びて、
サボテンのようなトゲトゲした花を咲かせます。

                          ごぼうの花 …> 
畑には花がいっぱいです。キュウリ、ナス、インゲン、ピーマン、トマト、ズッ キーニなどなど。今年はもう終わってしまいましたが、初めてえんどうの花を見 たときは感動しました。ふっくらとした、白のような黄色のような花を咲かせる のですが、そのちいさな花の中芯から、実がつきます。花びらがまだできたばか りのちいさな実を手のひらで包み込んで守っているようでした。 今、PCにむかいながら、思いました。 私たちも、きっと何かをつくりだすとき、産みだすときは花を咲かせているのか なと。そうであったらいいなと思います。 ========================================================================== ◆旬の野菜を食べませんか?よしもと農場から、心を込めてお届けします。   ホームページ ⇒ 吉本農場 無農薬・季節の野菜を届けます  <<旬の野菜情報>>  ピーマン、ナス、キュウリ、ミニトマト、モロヘイヤ、ツルムラサキ、インゲ  ンがワサワサ実り始めました。オクラ、ニガウリは8月に入ってからでしょう。   
text by よしもと  ----------------------------------------------------------------------○


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 〜よしもと農場・スローライフな畑から〜
 ◆暑い陽ざしの中に咲く涼



■清らかなで涼しげなオクラの花 ------------------------------------------------------------------------ 今回は少しでもみなさんに涼しさを届けたいと思い、オクラの花の写真を送りま す。
オクラの花の画像
http://chieichiba.net/wahaha/organicfarm_okura.htm
納豆や酢の物に入れてしまうオクラは、こんな清らかな花を咲かせます。おもし
ろいですよね。

オクラは花が咲いてから5日から7日で実を収穫することができます。私たちの
畑でもようやくオクラが穫れ始めました。初オクラをいただくのが楽しみです。
きっと娘がほとんど食べてしまうのでしょう。
 
熱い夏はついつい冷たいものに手が伸びてしまうと思いますが、夏野菜を食べる
と私たちの身体は自然と冷えてきます。冷たいものやクーラーは極力控えめに、
夏野菜のパワーをもらって、この夏も身体を大事にしてのりきって下さい。

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◆旬の野菜を食べませんか? よしもと農場から、心を込めてお届けします。
 ホームページ ⇒ http://www.d6.dion.ne.jp/~y.hatake/
      
 <<8月中旬:旬の野菜情報>>
  ピーマン、ナス、キュウリ、ミニトマト、モロヘイヤ、ツルムラサキが
  おいしいです。インゲンは少し疲れ気味。オクラ、ニガウリはそろそろ
  食べ頃です。  
text by よしもと  ----------------------------------------------------------------------○
◆オクラの画像でロゴ入りの8月のカレンダーを作りました。
 デスクトップに入れると涼しげかも・・・2週間タップリ楽しめます!
 ┗ http://chieichiba.net/wahaha/image/organic/okura.jpg (800x600)
 ┗ http://chieichiba.net/wahaha/image/organic/okura2.jpg (600x450)


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 〜よしもと農場・スローライフな畑から〜
 ◆
はじめまして&野菜の花だより


■稲刈りも終え、冬支度です
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みなさんお元気でしょうか?
前回オクラの写真を送ってから、もう3カ月も経ってしまいました。秋もすっか
り深まり、地方によっては冬支度がかなり進んでいるのではないでしょうか?

今月の頭にようやく稲刈りを終えることができました。夫の友人3人に手伝いに
来てもらい、2日かけて8畝ほどの稲を刈りました(1畝が約1アールですが、
ピンとこないですよね…1アールが約30坪らしいです)。

本当は1日で刈り終える予定が、機械の故障もあり、まるまる2日がかりの収穫
でした。1年食べていくには十分とは言えませんが、これでひと安心、感謝の時
です。
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■おいしい野菜作りに欠かせない「間引き」
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私たちは畑に種をまくときに、“ゴンベイ”という手押しの種まき器を使うので
すが、とても混み合った状態で芽がでてきます。そのままでは健康に成長できな
かったり、風通しが悪く、虫もつきやすくなってしまいます。そこで作物によっ
ては“間引き”ということをします。

▼間引いたにんじん、小松菜、ほうれん草

特に、にんじんは間引き(草取りも!)という作業が大切です。ある程度の大き
さになったら、こぶし間隔で間引いていきます。

夏のにんじんに比べて、今の時期のものはみずみずしくてとても甘いです。これ
から寒くなるともっともっとおいしくなります。間引きしたにんじんは、こんな
に小さくても味も香りもしっかりにんじんなのです。

間引いたにんじんは友人におすそ分けして食べてもらいました。小松菜は油あげ
と煮びたしにし、ほうれん草はおみそ汁で根っこも丸ごといただきました。

せっかく芽を出したものを間引いてしまうのはしのびないのですが、どんなふう
に食べようかなと考えながら作業をするのは楽しいです。
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■命は感謝してまるごといただきたい
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なかなか難しいかと思いますが、葉つきのにんじんが手に入ったときは、ぜひ葉
っぱも食べてみて下さい。おすすめは天ぷらですが、うちではなんでもござれで
す。炒めものや胡麻和えにしたり、チャーハン、スパゲッティの具としても大活
躍です。

無農薬栽培で、除草剤や殺虫剤を使わないとはいえ、当たり前ですが、野菜作り
は命をつんでいくことです。「生きていく」ということは、ほかの生きものの命
をいただいていくことだと実感しています。感謝することを忘れずにいたいと思
っています。

これからますます寒くなります。
(にんじん同様、寒くなると大根、ほうれん草ももっと甘くなりますよ。)
どうぞお身体を、そして、こころも温かく過ごして下さい。
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◆よしもと農場HP ⇒ http://www.d6.dion.ne.jp/~y.hatake/
 現在野菜の発送はお休みしています。再開次第、またご連絡します
  
text by よしもと  ----------------------------------------------------------------------○


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 〜よしもと農場・スローライフな畑から〜
 ◆はじめまして&野菜の花だより



■にんじんも、ほうれん草も、小松菜も大きくなってきました
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気持ちも身体も引き締まる寒い朝になってきました。
みなさんお元気でしょうか?
もうすぐクリスマス、そしてお正月…楽しみです。今年はわが家でも小さいなが
らツリーを飾ろうと思っています。

昨日、娘と自家用の野菜を収穫してきました。
まずは、にんじん。娘もにんじんを抜くのはお得意です。葉の付け根をしっかり
持って、にんじんと綱引きをしている姿は、とてもほほえましいです。
けっこう力が必要なんですよ。
すんなり抜けるものもあれば、そうはいかないものもあります。抜いた作物は娘
がコンテナまで持っていってくれるので大助かりです。

抜いたにんじんの顔もいろいろです。
同じ時に種をまいても、大きくて太いものもあれば、まだまだ赤ちゃんのような
にんじんもあります。
色つやもさまざまで、見るからにみずみずしいにんじんがでてくると、「生で食
べたい」と思います。だから料理をしながら、つい皮ごとポリポリ食べてしまう
んです。冬のほうれん草は葉を広げます。

ぬくぬく気持ちいいなぁ ぬくぬく気持ちいいなぁ (ほうれんそう)

お日さまの光を少しでも多く取り入れようとしているのだと思います。そして葉
を大きく広げたほうれん草ほど“実”がしっかりとしていて味が濃く甘いです。
特に赤い根の部分。わが家では、早い者勝ちです。

抜いた大根を片手に歩く娘の、手前に並ぶ野菜が小松菜です。

大根持って、よいしょ!よいしょ! 大根持って、よいしょ!よいしょ!

小松菜の成長にはびっくりしました。ちょっと窮屈そうにしながら、「はやく穫
ってー」と収穫の時期を教えてくれていました。このままでいくとお正月のお雑
煮を食べるころには、収穫適期は過ぎてしまっているかもしれません…。
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■ついつい時間を忘れてしまいます
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白菜、大根、グリーンウェーブを穫って家に戻るつもりでした。

グリーンウェーブを収穫する娘、できるかな? グリーンウェーブ

この日の夜ご飯はお鍋にする予定でしたので、ちょっと春菊の様子を見てからに
しようと思い、畑をのぞいてみました。
春菊には、まだまだ柔らかい葉がたくさんついていてうれしくなってしまいまし
た。この日も野菜たちからの恵みに感謝の気持ちになりました。

「ぼちぼち帰ろう」と言う娘を待たせて、せっせ、せっせと摘んで、車に戻って
時計を見てまたびっくり。お昼ご飯の時間はとっくに過ぎて、1時をまわってい
ました。結局、お昼ご飯をいただけたのは2時半。
夫と娘にごめんなさいです。

どうぞみなさま、よい年の瀬とお正月を迎えて下さい。
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 現在野菜の発送はお休みしています。再開次第、またご連絡します。
  
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 〜よしもと農場・スローライフな畑から〜
 ◆わが家のお味噌づくり  前編 糀(こうじ)づくりは気持ちを込めて



■今年もやってきました
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この冬はずいぶんと寒い日が多いですね(変に暖冬だと私は落ち着きません)。
みなさんお元気でしょうか?
わが家では今のところ大きく体調を崩すものは出ていません。
いつものように(あいかわらず)元気に暮らしています。

今年もお味噌づくりの季節がやってきました。
今回でお味噌をつくるのは5回目になります。
毎年この季節になると、お味噌をつくらずにはいられません。
発酵をうながす糀づくりに約2週間、それから道具を貸して下さる人に声をかけ
て…と、ひと手間もふた手間もかかるのですが、やっぱりつくらずにはいられま
せん。
お味噌づくりが終わるとひと安心、これで一年、おいしいお味噌が食べられます。
買ってしまえば早いのですが、やっぱり安心、安全、そしてなんといってもおい
しい(なんて)!

千葉で農業の実習をしていた時に、はじめて糀づくり、お味噌づくりに出合い、
その後富士宮に引っ越しをしてからは近所の農家の人にお世話になり、お味噌づ
くりを一緒にさせてもらいました。
どちらの時もいろんな方におんぶに抱っこでしたが、とてもいい経験になりまし
た。

これから2回にわたってわが家のお味噌づくりを届けさせて下さい。
まずはこたつでの糀づくりです。
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■3分づきで初挑戦
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こたつでの糀づくりは3回目になります。
私たちでつくったお米なので、なるべく玄米に近い状態で糀をつくりたいと思い、
余裕が出てきたことも加わり、3分づきのお米で糀づくりに挑戦です。

前日にお米を計って、研いでおきます。
わが家では約2kg。
この“約”2kgですが、必ず多めに計ります。
蒸かす時にむしろにくっついてしまったり、甘くなってきた頃に娘に食べられた
りしてしまって、できあがる頃には必ず減ってしまうからです。

翌日、蒸かす1時間前にざるに上げておきます。
強火で約1時間。お米に芯がなくなるまで蒸かします。
蒸かし上がる頃には白米とは違ったしっかりとした、いい匂いがしてきました。
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■おいしい糀になあれ〜
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さて、いよいよ糀菌をお米につけます。
が、その前にお米を広げて人肌くらいまで冷まします。
糀菌が一粒一粒にいきわたるようにもみこんでいきます。
私は素手でしますが、肌がピリピリと感じる人は手袋を使っています。
娘も素手でさわっていてなんともないようです。

▼”おいしい糀になあれ〜”とおまじないをかけながら混ぜていきます

次に木箱に移して保温します。
まずは温度をしっかり保ち、糀自体が発酵できる環境をつくります。
糀自体の温度が人肌前後を保てていれば、だいたい12時間後には部屋の中にいい
匂いがしてきます。
この間に何回か様子を見ながら、糀の上にかけておいたふきんが乾いていれば、
ぬらしてまたかけておきます。
本には湿度は90%以上必要とありますが、私は実際に計ったことがないので
こたつの中の湿度は分かりません。ただ、寝坊をしてしまったり、他のことに忙
しくして糀の様子を見るのが遅れてしまったときは、ふきんがかなり乾いていて、
「のどが渇いたよぅ」と糀が言っているのがわかります。
「ごめんねぇ」と謝りながらふきんをぬらしたことが何度もあります。

さて、”約”12時間後。
ドキドキしながら山の中に指を入れてみます。
中までしっかりと温かくなっていて、ひと安心。
崩すと糀自体の熱で蒸気が出てきます。
一粒一粒の糀がとても元気で、ギュッと握ると弾力があり、手がはね返されます。

そして第2段階に入ります。
私は別の2つの箱を使って糀を広げます。

▼箱の中心を薄く、隅を厚く入れた方が温度が平均になります

同じようにふきんをぬらしてこたつの中に入れておきます。ここからだいたい
20時間くらいかかります。
何回か切り返しをして酸素を加えて、水分も補給します。
一面に白い糀の花が咲いて、一枚の板になれば出来上がりです。
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■お米の花
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咲きました、咲きました。
茶色いお米にも白い花が咲きました。 
途中の様子からきっと大丈夫だろうと思っていましたが、やっぱりうれしいです。
一粒一粒がしっかりとくっついていて、一枚の板になりました。

▼甘いお米のお花

不思議な自然の力です。
糀の好きな温度と湿度を保っていれば、こんなにすてきな白い花を咲かせてくれ
ます。まさしく字のとおり。
お米に花が咲きます。
そしてしっかり甘い。

ここがいちばん娘にねらわれ時です。
しゃもじを片手に大胆にすくってきます。
お味噌をつくるのはまだ先なので、塩切り(お塩を加えて糀の進行を止めておく
こと)をしてとっておきます。
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■手前糀
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こたつで初めて糀づくりに挑戦した年は、残念ながら失敗しました。
その年の何回目かの糀づくりで、油断をしていたのと他のことに気持ちがいって
いたせいだと思います。あの時は糀になれなかったお米を炊き直して、夫とふた
りでモソモソとしたご飯を何日も食べました。
今にして思えば、まだどうにか手を尽くせば、糀の花を咲かせることができたの
では、と思っています。

やっぱり糀づくりも、子育てと同じです。
どれだけ糀に気持ちを向けていくかで、変わってきます。
温度、湿度を気にして、気持ちをこめて糀を混ぜていくと、糀が喜んでいるのが
わかります。
そして、寝坊して切り返しがあまりできなくても、ふきんがからっからに乾いて
しまっていても、それでも真っ白い花を咲かせてくれます。
(親としての自分を反省することが多々ありますが、それでも娘の笑顔、元気い
っぱいの楽しそうな姿がかえってきます)。
自然の力、大きさに感謝です。

▼蒸かし上がったお米を冷ましている娘です

今こたつの中では別の糀と一緒に酒種がふつふつと温まっています。これで酒饅
頭をつくってみようと思っています。
できあがった糀とご飯、ぬるま湯を加えて2日間温めてからつくります。
はじめてのことなのでどうなるかはわかりませんが、なめてみると何とも言えな
い不思議な味がします。どぶろくに通じるものを感じます。

さて次回はいよいよ本番、今回つくった糀と茹でた大豆を混ぜて、お味噌を仕込
むお話です。

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◆よしもと農場HP ⇒ http://www.d6.dion.ne.jp/~y.hatake/
 現在野菜の発送はお休みしています。野菜の種類が安定してくる4月下旬から
再開予定です。
text by よしもと  ----------------------------------------------------------------------○


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 〜よしもと農場・スローライフな畑から〜
 ◆わが家のお味噌づくり  後編 まぜたあとは待つばかり



■いよいよお味噌づくりの本番です ---------------------------------------------------------------------- お味噌づくりは、よしもと家の大事な行事のひとつです。 「赤子泣いても味噌つくれ」と言われるくらい、ちょっと前までは多くの農家で 欠かさずにしていた大切なことです。 さて当日は午後から雨の予報。まだ暗いうちから、たきぎを燃やして火をおこし ました。 今年は欲張って約20kgの大豆を煮ました。とても家の台所ではできません。 大きなかまどを借りてきて、夫と義兄にも手伝ってもらい、みんなでお味噌づく りです。    前日からたっぷりの水につけておいた大豆を、小指と親指でつぶせるくらいの柔 らかさになるまで煮ます。その間約6時間、あくを取ったり水を足したり、焦が さないように気を付けます。 簡単なようですが、けむくてけむくて、目も鼻ものども痛くなる、なみだ、なみ だの作業です。 それでも、大豆が柔らかくなってくるころには「どうかなぁ」と様子を見ながら 味見ができます。 これがおいしい、おいしい。ただ煮ただけなのにとても甘い。 「もうやめておきなさい」と娘には言っておきながら、私も味見がとまりません でした。 さて大豆が柔らかく煮えたら、温かいうちにつぶします。 専用のミンサーがあると早くきれいにつぶせるのですが、 私たちは杵(きね)と臼(うす)。 貸していただいた杵が不調で 途中からすりこぎと手でつぶしました。 完全にはつぶさずに、大豆のかたちをある程度残します。 お味噌汁に大豆そのものが入っていると娘も喜ぶのです。 ▼甘くておいしいから、まだまだ食べたいよ! 前回お話した、塩切りしておいた糀(こうじ)とよく混ぜたあと、 固まりにして丸めてポン。 空気が入らないように容器の中に投げていきます。 ポンポンポン。 この時の仕上がりの固さがお味噌の固さになります。 好みの固さになるように煮汁を足していきます。 ▼固めて丸めた味噌だんご 容器の7分目まで入れたら、上から空気を抜くように押しながら平らにしていき ます。とりあえずの蓋をしてこの日はおしまいです。 ---------------------------------------------------------------------- ■最後の作業、そして後は… ---------------------------------------------------------------------- 数日後、中まできちんと冷えたころに重しを入れて蓋をします。 私たちはビニールにお塩を入れたものを使います。 まずは空気に触れそうな部分にお塩をかけておきます。そしてラップを敷いて、 その後にお塩の入ったビニールを、空気が入らないようにしっかりと置きます。 埃が入らないように新聞紙をかぶせてできあがりです。 ▼立派なお味噌になりますように… あとは時季がたつのを待つばかり。 春になり少しずつ暖かくなると、ゆっくり熟成して、暑い夏を越してお味噌にな っていきます。 秋に食べるお味噌が1年もの。次の秋に食べるのが2年もの。3年味噌とはよく 聞きますが、私は2年ものが好きです。でも、2年目までなかなかもちません。 いつの間にか樽がからになってしまいます。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ■とっておきの手前味噌 ---------------------------------------------------------------------- 糀と大豆とお塩。あとはちょっとした道具があれば誰にでもできます。 みなさんもお味噌をつくってみてはいかがでしょうか? 糀2kg、大豆2kg、お塩800g、これで約8kgのお味噌ができます。 糀を大豆よりも多めにすると甘く仕上がります。大豆やお塩にこだわってみると また違ったおいしさになると思います。 (糀は農協やお店で売っています) さて残った大豆の煮汁はわが家ではシャンプーにしています。 ツルツルのサラサラ、気持ちいーですよ。 そして、重しにしていたお塩は洗濯に使います。炭と一緒に洗濯機の中へ。 娘が生まれたばかりのころ、おむつは粉石鹸で洗っていましたが、 いまではなんでも、お塩と炭です。 でも気を付けないと洋服に穴があきますが…。 今年は娘(まもなく2歳半)と一緒に糀をつくり、大豆を煮てお味噌づくりがで きました。 蒸かしたご飯に糀菌をかけながら、“糀菌がご飯を食べるんだよ”と言い、大豆 と糀が仲良くなってお味噌になることなど伝えました。娘がどう受け取ったか、 はっきりはわかりませんが、命の不思議、ほかの生命の存在を感じてもらえたら うれしいと思っています。 そして「生きているものをいただいて、生きていること」。 これは私も忘れずにいたいことです。 ======================================================================= ◆よしもと農場HP ⇒ http://www.d6.dion.ne.jp/~y.hatake/  現在野菜の発送はお休みしています。野菜の種類が安定してくる4月下旬から 再開予定です。


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 〜よしもと農場・スローライフな畑から〜
 ◆生きている種



■季節がめぐってきました
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ごぶさたしていますが、お元気でしょうか?
今年は雨が多いですが、みなさん、たくさんの春を楽しんでいるのではないでし
ょうか?

吉本家では3月11日に男の子が誕生しました。“大地”といいます。
夫と娘に応援されながら生まれてきました。
無事に生まれてくることが何よりですが、何に逆らうことなく、自然に生まれて
きたこと、産めたことがうれしかったです。

娘の時は自然に産みたいという思いはあったのですが、結局医療に頼ったお産に
なってしまいました。その時から、もしかしたら私は、ほ乳類の雌として欠けて
いるところがあるのでは、という思いがありました(おっぱいの出がわるかった
こともありましたので)。
今回のお産で、私の中で当たり前になるべき事が、やっと当たり前になりました。

産後1ヶ月して表でも少しずつ活動をはじめました。
田んぼには水が入り、まわりの景色を写しています。
冬の間は止まっていた水路から水音が聞こえ、かえるが鳴いています。
草や木のみどりが輝いています。栗の花の匂いが風にのってとどきます。
季節はめぐっています。

5月上旬に、多くの田んぼでは田植えが終わりました。
家族総出の田植えは、この時期ならではの風景です。
普段とは違い活気があります。
手がないのもありますが、野菜に重点をおいている私たちの田植えは、
きっと6月上旬(去年は下旬でした)になるのでしょう。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
■大切な命の粒
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玄関先に種籾(たねもみ)が置いてあります。

▼今年の私たちの主食になる大切なものです

この種籾も、もちろん食べられます。
外側の籾を穫ると玄米になります。玄米を精米すると白米になっていきます。

見た目はなんだかパサッとしていて、もちろん動きませんが、生きています。
じっと待っているんだと思います。この種籾を水につけると芽をだします。
芽がでた種籾を育苗箱に播きます。育った苗を田んぼに植えて育てます。
ひとつの種籾から、だいたい1500粒のお米が穫れます。
お茶碗1杯のお米は、約2500粒とのことです。2粒の種籾でお茶碗1杯分のお米に
なります。

私は1日にお茶碗にして7〜8杯のご飯を食べます(いやもっとです…)。
とすると毎日16粒の種籾からできるご飯を食べています。1年にすると5840粒の
種籾が必要です。
なんだか一粒も無駄にできません…
雑な私は種籾を播くときにこぼしてしまい、夫に気をつけるように言われていた
のを思い出します。
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■小さいけれど立派な野菜たち
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久しぶりの畑は見違えるようでした。
たくさんの野菜たちの芽が顔をだしています。
ドキドキします。
やっと間引きした野菜が食卓に上がるようになりました。
間引いた大根、カブ、山東菜、ごちそうです。
少ししか穫れないアスパラ、ほとんど娘の美咲の口に入ってしまいます。
もう少し、もう少しするとまた野菜でにぎやかな食卓になります。楽しみです。

まだ芽をだしたばかりの2種類の野菜の写真です。

▼何の野菜かわかりますか?
 : : <こたえ
アスパラは、小さいながらもアスパラの形をしているのがわかるでしょうか? トマトは小さくてももう、青くさい匂いがします。 これから個別のポットに移しかえると大きくなります。そして畑に定植します。 トマトは夏の暑い太陽をたくさん浴びて大きく、そしておいしくなります。 アスパラは秋にもう一度別の畑に移しなおします。 そして株が大きくなる2年目の春にようやく収穫します。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ■種を守っていきたい ---------------------------------------------------------------------- これからの世代のこと、食べ物のことを考えるならば、種を自家採種していくこ とも大切なことです。私が実習をしていた先の農家では、「種の自家採種の意義 は農民の自立」と言っています。 農民の自立とは、命あるものを、命あるものとして作り続けていけることだとも 思います。 今、大きな企業が「命を生みだす種」を「利益を生み出すもの」に変えていって います。 一般に出まわっている野菜の種は一代交配種(F1)がほとんどです。 これは種苗会社が異なる性質の種を交配させて作り出したものです。 この種から育つ作物は病気に強かったり、味がよかったりするのですが、 この特徴は2代目には引き継がれません。 遺伝子が組み換えられた種も莫大な利益を生むのでしょう。ただ、これからの世 代のことを考えると不安になります。 水がめぐり、地球が回っているように、 私は多くのことは戻ってくるのではと思っています。 以前、接客業をしていた私は、自分が笑顔で接すればその人も笑顔になり、笑顔 が回り回って誰かが笑顔を見せてくれると思って仕事をしていました。 こんなことを思っていたことをすっかり忘れて生活していました。 私たち人間が安易に種の壁を無視して、虫の遺伝子を植物の中に入れ、 何の痛みも感じずにいることは、これからの世代に何をもたらすのでしょうか。 遺伝子を組み換えられてしまった稲は、トマトは、大豆は何を思って実を結ぶの でしょうか。 その土地その家で、代々守られてきた種があります。まだ化学肥料も、農薬もな い時代からの種です。これら在来の種を守っていくことも、暮らしの一部として いきたいと思っています(実際にはまだまだです)。 種がなければその次は何もないのです。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ■生きている力 ---------------------------------------------------------------------- 最後にビニールハウスの中の様子を見て下さい。 ▼苗に囲まれると元気が出てきます ビニールハウスの中に入ると生きている力を感じます。 野菜から与えられるのは食べ物としての栄養、喜びだけではないんですね。 産後、私はまだ畑での作業はしていません。  夫と(夫の)兄が毎日働いています。 そして娘の美咲も夫に連れられて畑へ出ています。 娘を連れて行ってくれる夫にも、畑で作業をしてくれる美咲にも感謝です。 理想と現実がなかなか近づかない私たちの暮らしですが、この生活をはじめて、 これでよかったと思っています。 ======================================================================= ◆よしもと農場HP ⇒ http://www.d6.dion.ne.jp/~y.hatake/  現在野菜の発送はお休みしています。予定より畑での作業が遅れています。  5月下旬にはまたお届けできると思います。
----------------------------------------------------------------------○
<こたえ> a:アスパラ b:トマト


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 〜よしもと農場・スローライフな畑から〜
 ◆やっぱり3色カレー大好き!



■食卓に初野菜たちが並びます
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じめじめとした梅雨空が続きますね。
毎年のこと、必要なことなのですが、やはりすこし構えてしまいます。
洗濯物のこと、しばらく布団も干せないし、子どもたちを連れて、散歩に行くこ
ともできない。梅雨の晴れ間に期待をします。

さて日ごとに畑から穫れる野菜がふえてきて、にぎやかになってきました。


▼ピチピチの夏野菜たち

  インゲン   トマト   ズッキーニ

娘の美咲が持っているのは、巨大ズッキーニです。
こんなに大きくても、皮は固くなくて、とろとろしていておいしかったです。
輪切りにして油で炒めて塩をふっておしまいです。
ぺろっと食べてしまいました。


▼こんなに大きいよ!

そして昨日は初きゅうりも収穫!

そして昨日は初きゅうりも収穫!
美咲が大好きなきゅうり、塩もみした1本をみんなで仲良く分けたのですが、
他の人の分までじーっと見つめる美咲。
だめだめ、そんな目で見られてもお母さんも食べたいよ。

残りのきゅうりは、ぬか床へ。ただ最近ぬか床をよくかき回していなかったので、
しょっぱさが目立ってしまいました。(悲しぃ)
今朝、新しいぬかとコブを加えながら、よーくかき混ぜました。
愛情がやっぱり大切です。おいしいきゅうりの漬け物をこの夏もたくさん食べる
ことができますように…。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
■やったー!揃いました
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最近のわが家のカレーは単品カレーでした。
ルッコラカレー、かぶカレー、にんじんカレー、大根の葉っぱカレー。
あるもの何でもござれでした。
作るのは簡単。ザクザク切って、炒めてからカレー粉を加えて醤油などで味を調
えるだけ。ニンニクやショウガを炒めておくともっとおいしいです。

そんなわが家にも、とうとうカレーの定番野菜、にんじん、玉ねぎ、ジャガイモ
が顔を揃えました。娘を喜ばせたかったので、(私もとてもうれしかったので)
どういう呼び名にしようか考え、単純ですが『3色カレー』にしました。

ご飯はカレーだよーと伝えると、「美咲はルッコラカレーがいいわぁ」と娘。
今日は3色カレーだよと言うと、よくわからないながらも目を輝かせて喜んでく
れました。
うちの玉ねぎは、らっきょう?と別名が付くほどラッキョウに似ているのですが、
それでもやっぱり、新玉ねぎは甘くてとろとろしています。こんな時はルーより
も具を多めによそってしまいます。
単品のカレーもそれぞれの味がおもしろいのですが、やっぱりカレーには、にん
じん、玉ねぎ、ジャガイモが入っているとうれしいです。

食べたあとは、「美咲は3色カレーがいいわぁ」と言っていました。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
■おいしくなるまで待ちます
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春先の収穫できる野菜が少ないときをのぞいて、外で野菜を買うことはめったに
ありません。
野菜の少ない端境期でもなるべく時季のものを買うようにしています。
娘が大好きな野菜も、その時季まで待ってもらいます。

野菜が載っている本でトマトを見つけては、「夏になったら、このトマト食べる
わ」と何回となく言います。「かぼちゃはいつ食べられるの?」と写真を見せに
来ます。「早く夏になるといいねぇ」と季節を待ち望んでいます。

スーパーへ買い物に行けば、トマトもかぼちゃも並んでいるのですが、食べたい
と言われたことはまだありません。彼女の中で納得しているのでしょうか。それ
とも気がついていないだけ?

私も夏野菜が楽しみです。
ナスを焼いてショウガ醤油で食べたいです。ナスの天ぷらもおいしいですよねぇ、
大根おろしをたくさんすって。ナスの単品カレーも作ってみよう。ゆでたてのイ
ンゲン、いつも冷めるのが待てません。
今年は、マクワウリできるのでしょうか?2年越しの思いです。モロヘイヤをの
せてご飯をモリモリ食べたい。とうもろこしは蒸かしたときのあの甘い匂い、あ
ー楽しみです。

美咲は大好きな納豆にオクラを入れるのを楽しみにしています。トマトは自分で
採って畑で食べたいでしょう。
そうなのです、その時季の野菜はそのまんまがおいしい。
蒸すだけ、焼くだけでごちそうです。
もうすぐ、もうすぐです。夏にはこれでもってくらい夏野菜を食べたい!


▼僕も食べたいよ!ゲロゲロ、グァワグァワ!

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よしもと農場HP
昔の味がすると言ってもらえるにんじん、大根。大根おろしがあれば、ご飯をお
代わりせずにはいられません。かぶは塩で揉んで食べるとおいしいです。娘はど
れも丸かじり…。夏野菜はもう少しです。



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 〜よしもと農場・スローライフな畑から〜
 ◆たかが草取り、されど草取り!



■終わりはありません
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今年は雨が多く、お日様の光が貴重な夏でしたね。みなさんお元気でしょうか?

今朝は朝焼けがきれいで、とても気持ちよかったのですが、もう雨が降っていま
す。きっとこの雨で、草たちはまた、ぐんぐん大きくなるのでしょう。

少し前に、なすの畑に行ってみてび〜っくり。膝丈ほどの草の海に、なすがすっ
ぽり埋もれていました。草をかき分けてみると、ひょろっとしたなすが、どうに
か立っています。これでは大きくなれません。

わが家では「草取りをしよう」とは言わずに、「なすを救出しよう」なんて言っ
たりします。ふざけている場合ではないのですが、あまりの草のすごさに、もう
笑ってごまかす(?)しかないときもあります。

そのまま手付かずになってしまった、なす畑へ、何日かぶりに行ってみると、も
う別世界、見事に草原と化していました。草ではなく幹のようになっていて、こ
うなると手では抜けません。鎌でザックザックと刈っていくほかありません。

それでも、ここで草刈りができればいいのですが、埋もれている野菜を横目で見
ながら、種まきや定植をしてしまい、もう、どうすることもできなくなってしま
ったことが何度もあります。


▼草の中にひっそりと姿を見せるトマト  

そう、すごい生命力です。取っても取っても草、です。草取りが終わり、きれい
になった畑をよく見ると、なんともう、かわいらしい草の芽が、あっちからもこ
っちからも顔を出していました。ぬいた草をそのまま置いておくと、また根が着
いて起きあがってきてしまうんです。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
■草や野菜たちと対話しながら
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千葉の実習先で草取りをはじめたころは辛かったです。何が辛いって、ずーっと
しゃがんで草取りをすることが辛い!ちょっとしゃがんで草を取っては立ち上が
り、体をたたいては、また草を取っていました。

あの頃、小学校5年生だった、実習先の娘さん優希ちゃんと、ニンジンの草取り
を一緒に始めたのに、彼女のほうが先に進んでしまい、遠くの方から「遅いよ〜」
と呼ばれたのを思い出します。

そんな私も、今では草取りが好きです。畑によって生えている草が違い、草によ
って取り方にコツがあります。もちろん草も生きています。余裕のあるときは
「土に帰ってね」「いい土にしてね」なんて思いながら草取りをします。

野菜たちにお日様の光がよく当たるように、風通しがよくなるように、根っこが
しっかり張れるように、草を取ります。何が植わっているか、分からなかった畑
から、野菜たちの姿が見えるとうれしくなります。野菜たちも喜んでいるように
も感じます。


▼草に埋もれ始めているにんじん畑  


▼草取りが終わると…  

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■草取り座禅
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私にとって草取りの魅力はもうひとつあります。草を取る、この単純作業が自分
と向き合うことを教えてくれるのです。

もちろん友達や夫と話をしながら草を取るのも楽しいのですが、ひとりで一心に
草を取ると、落ち着いて色んなことを考えることができるんです。

真夏の暑い陽ざしの下で草取りをすると、無心になれることがあります。はじめ
はいろんな思いが浮かびます。流れる汗が土に落ちるのを見ては、これで少しは
いい土になるかなぁ、なんて調子のいいことを思ったり…

そのうち暑い太陽の陽ざしに包み込まれて、ただ草を取る、それだけになれるの
です。とても気持ちがいいのです。暑くて暑くて、どうしようもないのに、そん
なことなど越えてしまったところに、いってしまうのです。

畑にしゃがみ、草を取る。土や空気や緑とつながり、ひとつになれる。フッと自
分に帰ったときに、身体に感じる風の気持ちよさは最高です。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
■いい土でありたい
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子どもの病気について話をしていたときに、子育ても野菜づくりも同じと言われ
たことがあります。

どんな野菜をつくりたいか。有機農法、自然農法、現代農法(慣行農法)いろい
ろです。それぞれの思いで野菜を育てています。子育ても、どんな風に育ててい
きたいか、どんな子に育っていってほしいか、それぞれの親が思いを持っていま
す。

私たちは無農薬、無化学肥料で野菜づくりをしています。それにはいい土作り、
いい環境が、とても大切と思っています。土の中のさまざまな微生物、多くの虫
たちが元気に暮らし、風通しがよく、お日様の光がよくあたる、そんな畑に育つ
野菜たちは元気いっぱいです。ちょっと虫に食われても、少しくらいの病気も、
ちょっとくらいの草も気にせず、大きく育っていきます。

子どもたちにとっていい土、いい環境は、一番近くにいる私たちです。今の私は
草ぼうぼうで風通しが悪く、なんだか土も硬くて、根が張りにくそうです。子ど
もたちが安心して、彼らの生きたいように大きくなっていけるように…そんな環
境になっていきたいです。いつになることやら…


いい土は、いきいきとしたニガウリの花を咲かせてくれました  


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よしもと農場HP
今年はトマトがたくさん穫れます。こんなことは初めてです。明日もまたトマト
のポタージュを作ります。くず粉を入れるとおいしいですよ。娘は種のあるキュ
ウリが大好きです。遊びに来た母が、「種のあるキュウリなんて他では売ってい
ないよ」と驚いていました。え〜どういうこと?うちのキュウリはちょっと大き
くなりすぎなのでしょうか?でもトゲトゲがなつかしいといわれています。


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 〜よしもと農場・スローライフな畑から〜
  ◆困ったときの豆頼み



■小豆から、もやし作りに挑戦!
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すっきりとした青空が広がり、気持ちのいい一日でした。見上げた富士山の頂上
には雪が積もっていました。寒い寒い冬がやってくる前に、秋の心地よさをいっ
ぱい楽しみたいです。

秋と言えば、もちろん食欲の秋ですよね。ところが今、うちの畑で収穫できる野
菜は、とてもさみしい状態です。9月の下旬から、つい先日まで、野菜の出荷も
お休みをさせてもらっていました。(トホホ…私たちの野菜を食べてくださって
いる方、ごめんなさい)

台風で収穫間近のインゲンがなぎ倒されてしまったり、強風で葉物の野菜が、粉
々になってしまったからなのですが、一番の原因は、大切な作業、つまり草取り
が遅れたからなのです。

かぼちゃも冬瓜も、草の海の中で溶けてしまいました。ねぎ畑になるはずのとこ
ろも、どこをかき分けても草だけになってしまいました。ごぼうは1回も草取り
をしてあげることができず、消えてしまいました。

この時期に出荷を休まなくてはいけないことは、精神的にけっこう重たいです。
そして、この時期に食卓がさみしいのはとってもつらい。

そこで、今あるものを利用して、できることをしようと、小豆から、もやし作り
をはじめました。今までは二の足を踏んでいたのですが、必要に迫られて、はじ
めての試みです。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
■サヤの中で輝く“宝物”
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今日は、家族4人で小豆の収穫です。「小豆があれば、おいしいあんこや、かぼ
ちゃのいとこ煮が食べられるよ」と、娘の食欲を刺激してから出かけました。

小豆は、朝露でサヤがぬれているうちに収穫をした方がいいそうです。でも、そ
んなに早くは出かけられないので、茶色く乾いたサヤから豆がこぼれないように、
気を付けて収穫しました。

▼いつの間にか、小豆よりも草の実を集めている娘  

▼7ヶ月になる息子の大地が泣き出してしまったので、収穫は終了!  

小豆は虫が付きやすいので、よく干した方がいいと言われます。けれど、むずか
しいもので、干しすぎると、“鬼豆”(発芽しないし、もちろん食べられない)
になってしまうそうです。

もやしにするために水に浸けていますが、何日たってもふくらまない豆が、いく
つもあります。それほど長く干したつもりはないのに、鬼豆を作ってしまったよ
うです。以前に何人かの方に、どのくらい干したらいいのか、聞いたことがある
のですが、みなさんの答えは、まちまちでした。

茶色く乾いたサヤの中に豆が入っています。サヤを開いて豆を見るたびに、宝石
のようだと思います。サヤがあまりにも黒くなっているので、中の豆もダメにな
っているだろう、と思いながら開いても、大事に守られた豆が輝いています。

その豆を見ると、この生き物にとって、この一粒一粒がどんなに大事なものかを
実感します。私たちにとっても大切なものですが、彼らにとっては、まさしく宝
です。

▼小豆を足で踏んで、サヤから豆を出します  

▼サヤの中に輝く宝石たち  

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
■百のことができるようになりたい
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ずぼらな私には、毎日水を換えるのがちょっと面倒だったのですが、小豆もやし
が完成しました。もやしの作り方の本には、数日から1週間でできると書いてあ
るのですが、私はずいぶんとかかりました。2週間はかかったと思います。

▼小豆の芽が顔を出しました  

▼頼りなげですが、ニョキニョキと大きくなりました  

もやし作りをしているうちに、そして、この原稿がなかなか進まないうちに、畑
の野菜たちがたくさん穫れるようになってきました。

さつまいも、キャベツ、にんじん、レタス、大根、べんり菜、ルッコラ、そして
里芋。去年里芋の畑は草畑になってしまい、ほとんど食べられませんでした。草
の根がびっしり張ってしまった畑を、せっせとせっせと、掘っても小指くらいの
お芋しか出てこなかったな…。

♪〜季節めぐれば、遠い道のりは思い通りにいかないときもある〜♪

娘の好きな『おじゃる丸』の歌を口づさみながら、あれから1年が経つことを、
里芋の土を落としながら思いました。

鍬や鎌は、お金を出せば買うことが出来ますが、百姓としての勘や知恵は、もの
を買うようにはいきません。住井すゑさんの“橋のない川”の中に、何かの道具
を研げるようになったら一人前の百姓とみなされる、と書いてありました。あれ
は何の道具だっんだろう?

数年前に聴いた唄のことを時々思い出します。

『まわりの人はあいつは百姓だと言って笑うけれども、自分は百姓ではなくて千
姓にさえなりたい』

そんな歌詞でした。この唄のことがずっと気になっていたので、唄った方に、歌
詞を全部教えてほしいとメールを書きました。

お返事を頂いたのですが、びっくりすることに、その時の即興とのこと、残念で
す。

今は、2人の子どもと家の中のことで、ほとんどいっぱいの毎日です。(きっと
もう少しうまく家事をこなせばいいのでしょう)千姓は無理でも、百のことがで
きる、百姓になっていきたい。生きていく知恵を、技を、そして喜びを、たくさ
ん身につけて暮らしていきたい。そして子どもたちに伝えていければ、と思って
います。

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よしもと農場HP
日ごとに寒くなり、にんじんがみずみずしく、甘くなっています。さつまいもは、
ちょっと干してから食べるとおいしいです。もう何度天ぷらにしたことでしょう。

野菜の出荷を再開しています。


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 〜よしもと農場・スローライフな畑から〜
 ◆
森が教えてくれたこと


■ 冬眠していても
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ずいぶんと長い間冬ごもりをしてしまいました。みなさんお元気でしょうか?

この冬は寒い日もありましたが、朝晩は冷えても、お日様がのぼると暖かく、や
っぱり暖冬だったと思います。冬は冬らしく、もっとガツンと寒い日が続いて、
暖かい春を心待ちにしたかったです(寒い地方にお住まいの方ごめんなさい)。

昨年このメルマガでお味噌作りのことをお伝えしましたが、今年もお味噌をつく
りました!糀(こうじ)もこたつでつくりました。そしてまるっきりの玄米の糀
づくりにも挑戦してみました。

本を参考にして、ミルを使い、少し砕いて糀菌を入れてみました。100%糀には
ならなかったのですが、ビギナーズラックか、まずまずのできあがりだったと思
っています。そのうちに雑穀のあわやきびでも糀をつくってみようとたくらんで
います。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
■森からのいただきもの
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去年の12月、家族みんなで落ち葉拾いに行って来ました。この落ち葉、いったい
何に変身すると思いますか?答えは後ほど…。

私にとって、はじめての落ち葉拾いです。まずは車でいい場所を見つけながら、
グルグル走ります。適当な傾斜があって、障害物になるようなものがあまりなく、
そして落ち葉がたくさん落ちている場所を見つけます。

ここと決めたら作業を開始。大きなほうき(レレレのおじさんがもっているよう
な)や熊手に似た道具、レーキを使って落ち葉を集めます。

▼子どもたちも一生懸命お手伝いです


作業は単純なのですが、軽トラックいっぱいに落ち葉を集めるのは簡単ではあり
ません。どれだけいい場所を見つけるかによって、集める時間がずいぶんと変わ
ってきます。

たまった落ち葉をコンテナに集めて荷台に入れていきます。カサがあるのですぐ
いっぱいになるのですが、これでは集めたうちに入りません。荷台に乗って落ち
葉をつぶしていきます。足でどんどん踏んでいくと、もっともっと落ち葉が入り
ます。

1回お茶をして作業再開。あっちからもこっちからも落ち葉を集めてきます。体
も熱くなるし、腕の力もだいぶ必要です。気がつけば、あんなに落ち葉で覆われ
ていた斜面の下の土が丸見えになっています。

私は温まったものの、このあたりの土や木々はきっとこの冬寒いのではと思い、
申し訳なくなりました。キノコや山菜採りも、次に来る人の分と来年の分を残し
ておくものと言われます。あまりきれいに落ち葉をとりすぎるのはよくない、と
反省しました。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
■野菜の赤ちゃんのベッド
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実は、この落ち葉拾い、夏野菜を育てるのにとても大切な作業なのです。そして
再来年の冬の種まき用の土づくりにもつながっていきます。

私たちは冬の間にハウスの中で種を蒔きます。ハウスの中とはいえ、朝晩は、も
ちろんかなり冷え、マイナス2〜3度になります。そこで落ち葉を使って野菜たち
のベッドをつくるのです。

まずはコンパネや古い畳などを使ってベッドの枠組みをつくります。その中に落
ち葉、米ぬか、鶏糞を入れて、水をかけます。この作業を繰り返してベッドをつ
くります。こうすることで自然と発酵するのです。

化学音痴の私は不思議でなりません。この時の落ち葉や米ぬか、鶏糞の量、水の
かけ具合で発酵の仕方が変わってきます(残念ながら私はこの作業をまだしたこ
とがありません。まるっきり夫任せです)。はじめの1〜2週間は温度が30度くら
いになり、そのあと少しずつ温度が下がり、しっかりとしたベッドになるそうで
す。

▼落ち葉のベッドで、ゆっくり育ってね


この落ち葉のベッドの上に、種を蒔いたプランターを置いたら、保温のために布
やビニールで覆います。これだけでは朝晩は寒いので、夕方になるとハウスの
戸締まりをきちっとします。

そしてお日様が出てきて暖かくなるとハウスを開け、風通しをよくします。晴れ
たり曇ったりの不安定な日は、夫はハウスをいったりきたりと落ち着きません。
畑に定植するまでは苗は赤ちゃんと同じです。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
■今の暮らしとこれからの暮らし
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落ち葉を拾いに行った時に、森からもうひとついただいてきたものがあります。
落ち葉の下にあった木々の枝です。

野菜のベッドには木々の枝は必要ないのですが、これはお味噌の大豆を煮る時の
薪になると思い、集め始めました。落ち葉は、苗のベッドとなり、再来年の種ま
き用の土になる、木々の枝は薪にして大豆を柔らかくする。

私はこの森に何もしていないのに、こんなにもいろんなものをいただける。

集めながら考えました。昔の人は森や川、自然に感謝せずには暮らせなかった、
そして、まわりにあるひとつひとつのことが暮らしをささえてきたこと。

森から薪を集め食事を作り、暖をとり、家を建て、家具や道具を作った。秋には
キノコ、春には山菜、森の恵みをいただいた。そんな暮らしの中では、自然に感
謝をする気持ちを持つことは当たり前のことだった。

今はスイッチを入れれば火がつき、電子レンジのボタンひとつでいろいろな食べ
物ができる。水だって水道をひねるだけ、汚した水も排水溝に消えて見えなくな
る。こんな生活をしていれば、まわりの自然に感謝なんて気持ちが生まれるのは
難しい。私たちはずいぶんと森から、自然から離れすぎてしまったのでは、と。

ここ数十年のうちに生活がどんどん便利になり、楽になり、進歩をすることはい
いことのように思われます。でも、私は、もうこの辺でいいのでは、と思ってい
ます。

ひと昔前にはなかったものが溢れだし、それでも、もっともっとと次々と新しい
ものや技術がつくりだされています。そうすることで失っていくものが後を絶た
ないのではと思っています。

私は子どもが大きくなった時、そのまた子どもが大きくなった時も、今よりひと
昔前(世界には今の現状が苦しい人が大勢いることもわかっています)のような
暮らしがあることを望みます。

必要以上に進歩することなく、大切なものを持ち続けて、季節の中で暮らしてい
けるように。みんなに食べ物があり、飲む水もあり、家族があって、友達もいる、
悲しいことがあっても笑いもある、そんな暮らしがこの先も続いてほしいと願い
ます。

♪世界中の子ども達が一度に笑ったら、
 空も笑うだろう、ららら、海も笑うだろう
 世界中の子ども達が一度に泣いたら、
 空も泣くだろう、ららら、海も泣くだろう♪
 (『世界中のこどもたちが』
   新沢としひこ 作詞  中川ひろたか 作曲より)

ひとりの子どもが泣いていても、きっと空も海も泣いていると私は思っています。
世界の子ども達が一度に笑ったのならば、きっと空と海の笑い声がはっきりと聞
こえると思っています。
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◆よしもと農場HP ⇒ http://www.d6.dion.ne.jp/~y.hatake/
この冬は切り干し大根もつくってみました。端境期の対策に小さな助っ人になり
ましたが、今季の野菜のお休みももう目の前です。小箱は4月中旬予定(希望)
中箱、大箱は5月になってからの再開になると思います。


 


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